模擬裁判・ジュニアロースクール
活動概要
1つの事件を素材に、法律実務家の支援を受けながら、参加各校が検察チーム・弁護チームを組織し、高校生自身の発想で争点を見つけ出し、整理し、証人尋問・被告人質問・論告弁論を行います。刑事法廷で要求される最低限のルールに則り、参加各校の生徒が検察側と弁護側に分かれ模擬裁判を行う経験を通じて、物事のとらえ方やそれを表現する方法を学び、刑事手続の意味や刑事裁判の原則を理解することを狙いとしています。
大会HP:https://www.nichibenren.or.jp/kids.html
大会HP:https://www.nichibenren.or.jp/kids.html
活動の感想
慶應義塾大学法学部 龍 美羽(2020年度卒業生)
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絶対にポケットに入り切らないポケット六法と睨めっこをしながら、ひたすら面白みのない条文を暗記する。法学に対してそのようなイメージしか持っていなかった当時の私に、「将来は法学部に進学することになる」などと言ったところで冗談はよせと笑い飛ばしていたでしょう。しかし、事実私はこの進路を選びました。そして、模擬裁判とジュニアロースクールにおける経験が、私の選択に大きな影響を及ぼしたのは疑いようのない事実です。
中学生の頃に友人と参加したジュニアロースクール。ホームルームで配布されたパンフレットに記載されていた日時の予定が空いていた、という理由で足を運んだそこで、私は初めて法律は暗記でどうこうできるものではないことを知りました。この条文はどう解釈されるべきなのか。この事件ではどの条文が、どのように適用されるのか。現役で弁護士として活躍する指導員の助けをもらいつつ、試験勉強をしているときよりも頭を回しました。「ジュニア」ロースクールと銘打っておきながら、かなり本格的な法解釈を学んだその日、私は「考える」楽しさに味を占めました。
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脳の舌が肥えてしまった矢先に私にもたらされたのは、一つ上の先輩からの「高校生模擬裁判選手権」への誘いです。ロースクールで学んだ論理的思考を、実際の事件に適応させて活用するのは、予想以上に難しく、想像以上に充実感のある行為でした。この目撃証言の信憑性はどれ程だろうか。この証拠はどのような事実を示しているのだろうか。気分はさながら探偵です。しかも、ただの探偵ごっこで終わるのではなく、そこからさらに判決文まで書く過程は、一歩大人になったような高揚感をも感じられました。
模擬裁判やロースクール以外にも様々な課外活動に参加する中で、私は自分の政治への興味を見つけました。しかし、それ以上にロジックを組み立てる楽しさを忘れられず、大学での選択授業では英語でも日本語でも論文を書く授業を選び、自分の考えを発表できるプレゼンの機会が与えられる授業も選んでいます。それだけでは飽き足りず、ディベートサークルに所属し、毎週友人と様々な議題で討論を繰り広げている私は、きっと論理的思考に囚われています。