2012.04.04理事長メッセージ
理事長からのなずなメッセージ#78 75周年を節目に日々新たな挑戦へ
理事長・学園長
古 賀 正 一
市川学園は、本年4月15日創立75周年を迎えます。1937年創立者古賀米吉をはじめ同志の先生方の情熱と支援者の方々の尽力で旧制市川中学校として産声を上げました。
英国の私立全寮制のパブリックスクール(イートン、ハロウ、ラグビー校など)のリーダー育成教育、自由と規律に魅せられ、またインドの詩人タゴールの緑陰の小さな貧しい学校にも感動し、教育は私学でなければの高い志で設立されました。初年度入学者わずかに32名の苦難のスタートでした。日中戦争が始まった年であり、その後太平洋戦争へつながる戦時の創業時代でありました。
学園の歴史は創立から創立者の死去(1937年-1983年)までの草創期、次の守成期(1983年-2000年)、そして新校舎建設と共学の現在まで(2000年-)の第二の創生・発展期に分かれます。2006年までの70年の歴史は、記念誌の市川学園『五十年の歩み』『七十年の歩み』に詳しく記述されています。また本館一階「市川学園歴史センター」及び本館二階「古賀教育センター」に写真・記念の品、書籍などが展示されています。
今回70周年以降の5年間の歴史を、その間の活動を中心に、『不同石(保護者への毎学期発行の小冊子)創立75周年記念号』として発刊します。
以下2007年から2011年までの5年間のトピックスを挙げます。
2007年;中2の合唱祭、高2沖縄修学旅行開始(2月)、吹奏楽部が上海大同中学校を訪問し演奏会(3月)、スクールバス運行開始(4月)、国枝記念国際ホール、第三教育塔竣工(10月)、創立70周年記念式典、記念祝賀会(11月)
2008年;中学全学年合唱祭(2月)、古賀正一理事長が第9代校長就任、全学年共学完成(4月)、俳優故児玉清氏土曜講座(6月)、同窓会・学園共催のホームカミングデー初めて実施(11月)
2009年;帰国子女入試新設(1月)小川暢久第10代校長就任、文部科学省よりスーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)に指定され5年間の活動開始、6年間の第二次中期計画スタート(4月)、クラス単位での高1敬和寮入寮開始(5月)、学内での全学年保護者懇談会実施(9月)
2010年;羽生善治名人土曜講座(2月)、ニュ-ジーランド・ダニーデン市セントヒルダ・カレジエイト校と姉妹校提携調印(3月)、完全6日制、中高の時差通学スタート、高校就学支援金制度(4月)、朝日新聞主催『どくしょ甲子園』最優秀賞受賞(12月)
2011年;東日本大震災発生。当日は290名の生徒校内宿泊、以後行事全て中止(3月)、ノーベル賞受賞者小柴昌俊東大特別栄誉教授土曜講座(5月)、携帯電話での緊急安否確認メール・放射線量測定器導入(8月)
2009年度を基点に、『知徳体情操に優れ品格あるリーダーとして国際的に活躍できる紳士淑女』、『第三教育の達人』の育成を目標に、第二次中期計画を推進中で、今年度は4年目の後半に入ります。
また文部科学省より優秀な科学・技術人材育成及び理数教育の重点校スーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)の指定をうけ、4年目に入ります。SSHは市川サイエンスと呼称し、高校2年理科系生徒全員が参加し、課題設定、実験、思考、調査など課題探求を深め成果発表をする新しい試みであり、他校との交流、国際交流、英語での発表もあり、生徒・教員ともども大きな刺激を受けています。更にグローバル時代のコミュニケーションのできる英語力、海外帰国子女の入学と育成、多様性理解など国際化への志向も強まりました。
本当に行きたい進路を目指す骨太な学力向上で、国公立・私立難関大学への合格実績が大幅に伸びました。今年は慶応(75)早稲田(176)の現役合格数、国公立現役合格数(105)ともに過去最高の合格実績を出しました。
スポーツ・文化のクラブ活動も活性化し、加入率も85%をこえ、活躍の場を通じ人間教育の一環を担っています。
建学の精神の「自ら学ぶ第三教育」を不易の基本とし、これからのグローバル時代に必要な、真の学力と「進学力」、「人間力」、「サイエンス力」、「国際的基礎力」の4つの力を高めることを推進してまいります。教職員・生徒共に常に学び向上する『卓越した学ぶ共同体』こそが、今後の学園の姿です。進歩・変革に終わりなし、日々新たな気持ちでチャレンジを続けています。