2007.12.01理事長メッセージ
理事長からのなずなメッセージ#26 創立70周年を祝う
理事長・校長 古賀正一
11月17日(土)に市川学園創立70周年記念式典、祝賀会が同窓会、後援会、学校法人の協賛により行われました。
式典に600余名、祝賀会には1300余名が参集し、70周年を祝いました。また800名の卒業生によるホームカミングの行事も同時に行われました。以下は式典における理事長式辞の要旨です。
本日は学園創立70周年式典にあたり、ご多忙のところ、多くのご来賓の皆様、関係者、支援者の皆様においでいただき誠に有難うございました。
昭和12年創立時わずかに32名の第一期生から現在 在校生2400名、教職員180名、卒業生3万4千名の中高一貫の共学校と4つの幼稚園に大きく発展してまいりました。
グローバル化、IT革命、規制緩和など大きな変化の波の中、今教育は与えられる時代から、選ぶ時代になりました。本学も時代を先取りし、積極的に改革を進めてまいりました。このような中、創立70周年を迎えられますのは、ご列席の皆様をはじめ長年の多くの学園関係者支援者のお蔭であります。70年という歴史と伝統の重みかみしめつつ、改めて皆様に深く感謝申し上げます。
さて、不易流行と申しますが、世の中には変えてはいけない不易不変ものと、時代とともに変革すべきものがあります。本学園の建学の精神は、不易であります。即ち、人間は一人一人皆持ち味が違いすばらしいという『独自無双の人間観』、だからこそ一人一人を良く見てその特色を引きだし伸ばそうという『よく見れば精神』、自ら学び生涯学び続ける力こそが教育の本質であるという『第三教育』の3本柱であります。
建学の精神と学園の歴史を理解し未来に継承するため、このたび第三教育塔、市川学園歴史センター、古賀教育センターを新設いたしました。更に記念誌『七十年の歩み』を編纂し、創立者古賀米吉像を校舎入口に設置いたしました。これらは70周年記念募金により実現できたものであり、厚くお礼申し上げます。
一方過去にとらわれず、変化の時代にふさわしい新しい発想を盛り込む変革も重要です。新しい技術や知見を使い教育そのものを変えていく志、現代の青少年の諸問題に立ち向かう気概も必要であります。
今や変革なしに私学は生き残れない、グローバルな教育大競争時代であります。たゆまぬ改善努力と危機感こそが成功の鍵を握ると思っています。
70年の歴史は、創立者古賀米吉が自ら陣頭にたち推進した創業の時代、その後衣鉢継承の守成の時代、更に新校舎共学により卓越した新生市川学園を目指す第二の創生時代とおよそ三期に分けられます。70周年を祝うとともに、過去に学び感謝する、現在を反省する、そして未来への指針と勇気を得たいと思います。
70周年を機に次の10年にむけ、5つの点に注力したいと思います。
第二は、新生市川学園のビジョンに基づく中期目標の確実な達成です。すでにHP等に公開していますが、具体的目標即ち高い進学実績、人間教育の充実、教職員の教育力向上、明るい学園風土作りを具体的施策で着実に実現して行くことが重要です。学校や教育も特別ではなく計画、実行、評価のPDCAサイクルにより目に見える形で改善を継続することこそが進歩をもたらすと確信しています。
第三は、国枝記念国際ホールの完成により、教育活動および音楽などの文化活動をより活性化することです。市川学園フィルハーモニー管弦楽団の創設により、音楽愛好者をふやし、情緒豊かな学園風土を作り上げてまいります。学園教育を知徳体、更に情操にわたりより深みのあるものにしてゆきたい。この國枝記念国際ホールは、高校第7回卒業生である國枝宏安氏の多額の寄付をベースに建設できたものです。氏は創立者古賀米吉を深く敬愛し、今日あるは古賀教育のおかげとの念深く、新生市川学園に役立ちたいとのありがたいお申し出を受けました。国枝宏安氏ご夫妻に深く感謝の意を表したいと思います。
第四に、学園の教育は、究極教職員できまります。教職員個人の情熱と質の高さそして集団としてのチーム力が教育力をきめます。個としての教職員が輝かなければ生徒はけっして輝きません。教職員の研修、研究、切磋琢磨、事務支援などには今後古賀研究基金の活用を含め最優先の投資をしていきます。
第五に、新校舎周辺特に校舎北側の整備を、千葉県、市川市および地域の皆さんのご協力を得て行います。そしてよりよい教育環境をめざすとともに、地域との連携を更に深めてまいりたいと思います。
本学園の究極の目標は、真に品格ある教養豊かな紳士、淑女、真のリーダたるべき人物を多く生み出すことであります。今の日本に必要なのは、まさに品格あるたくましく思いやりのある人材でありましょう。
最後に各クラスを代表した生徒諸君、今諸君がこの学園で学べるのは、ご両親、先生をはじめ多くの方々のおかげであることを忘れないでほしい。21世紀、諸君の活躍する世界は大きく広いと思います。思う存分自分の持ち味を発揮し、第三教育塔のように高くより高く可能性を伸ばし、自ら学ぶ第三教育の達人になってほしい。國枝ホール2階のプレートに、國枝氏から生徒の諸君へ素晴らしいメッセージを頂いています。それは『小さな努力の継続で世界にはばたけ』ということです。まさに日々の小さな努力の積み重ねこそが、未来の偉大な諸君を作り上げるものと確信します。
以上70周年記念式典にあたり、感謝の念とともに抱負の一端を述べ式辞といたします。