2007.10.01理事長メッセージ
理事長からのなずなメッセージ#24 市川学園ブランド なずなの由来
理事長・校長 古賀正一
市川学園には、なずなの名を冠したものが多い。いわば学園のブランド名にもなっている。由来は後に述べるとして、このHPの理事長メッセージをはじめ、ちょっと拾い上げただけでも以下のようなものがある。
学園HP 理事長からのなずなメッセージ
毎月一日に学園の考え、理事長の考えを学園HPに出しており今回で24回目になる。過去のものもありご高覧いただければ幸甚。
なずなネット
学園と保護者との連絡インターネット網。双方向の情報交流としてきわめて重要になっている。1,2年生は全家庭加入。
なずなセミナー
教職員向けの研修会。年に3~4回学園外部の各界の方の講演で、教職員一斉出勤の土曜日に行う。すでに22回。遠山敦子元文部大臣、北城格太郎日本IBM会長、寺島実郎三井物産取締役など著名人も多い。
なずな祭
学園の文化祭、2日間にわたって開催(今年は10月6日,7日)。
同窓会報なずな
文字通り同窓会全体の会報、年1~2回発行。1回2万部発行。
なずな池
新校舎敷地内の池。生物授業の教材などを飼育している。
バスケットボール部OB会なずな会
なずな命名の元祖の一つ。昭和33年インターハイで熊本に遠征。それ以前から使用。
さて、なずなの由来は、すでにご存知の通り、芭蕉の句
よく見ればなずな花咲く垣根かな
からくる。建学の精神をわかりやすく語ったものである。人間は一人一人かけがえがないという人間観、なずなのように目立たない生徒にも光をあてその持ち味を伸ばそうという学園教育の基本、社会に出てもその場その場で十分活躍してほしい、随所に主となれという願いが込められている。
創立者が生徒のために書いた小冊子『楽しい学園生活 日々新たなり』は、入学すると全生徒に配布され、学園の教育方針を学んでもらいます。その第一話「人間にはかけがえがない」の冒頭の文章を引用したい。なずなの本質はこの文章で十分である。
芭蕉の句に、よく見ればなずな花咲く垣根かなというのがある。なずなは道ばたに生える雑草、春先に白い小さな花を、かすかに咲かせる春の七草の一つである。人目を引く花ではない。芭蕉はある日ある時、じっとこの花に目をつけた。ムム!呼吸をのんだらしい。と、歩き馴れたその道が、見馴れたあたりの景色が、一瞬、あたらしいもの、すばらしいものとして、芭蕉の目に映ってきたことであろう。よく見ればなずな花咲く垣根かな。花にはいろいろある。梅、桃、桜、あやめ、菊、牡丹、芍薬、萩、桔梗。人目をひくはでな花が数かぎりなくある。それなのに、なずなの花に驚異をおぼえた芭蕉のこの気持ちが、俳句の分からない私にも、よおくわかったのである。これは中年の教師、私の開眼であった。よく見よう、よく見て、なずなのような目だたぬ子供にも目をつけよう。人間はだれもだれもたった一人、たったいっぺんのたったひとり、お前にはかけがえがないぞ、と生徒に呼びかけ、自分自身にもそういい聞かせた熱っぽい一時期が、私にはあった。(以下略)
このたび創立70周年を機に、創立者古賀米吉の像を校舎の入り口に移設した。像の後ろに素晴らしい山武杉の衝立が置かれたが、そこには迷うことなく、芭蕉のなずなの句を書いてもらった。
なずなは、まさに市川学園の教育理念の真髄であり、ブランド名である。
なずな池(本校・北パティオ)