2021.10.01理事長メッセージ
理事長からのなずなメッセージ#193 あらためて建学の精神をこれからの教育の羅針盤に
2021.10.1
市川学園理事長・学園長 古賀正一
緊急事態宣言が解除され、生徒の活動を段階的にできる限り平常に戻します。しかしデルタ株の強さもあり、リバウンドを避けるためにも、これからが感染症防止の正念場です。特に日々の健康観察、マスク着用、登校時検温、手指消毒、3密回避、換気、黙食、登下校ルールとマナーの遵守などの基本が大切です。
9月中の分散隔日登校では、生徒が隔日に対面授業とオンライン授業になるため、教職員は種々工夫を凝らし、生徒も前向きに対応しました。対面の行事や交流が少ない中、生徒はオンラインでの学内交流、学外の大会・コンテストや大学の各種プログラム・研究にも参加し、デジタルネイティブらしい活発な活動を続けています。
9月30日からは、全員登校となりました。部活や課外活動(大会参加などのための特別許可の部活でなくとも)は一定の制限の下で再開します。「なずな祭」、「高校球技大会」は、11月に延期し学内(生徒)のみで実施予定です。
すでにこのメッセージを見ておられる方は、お分かりの通り、10月1日より学園のホームページ(HP)を一新しました。今後とも宜しくお願いいたします。
新しいHPの基本的考えと特徴は次の通りです。
- 読んでいただくホームページから見ていただくホームページへ。
→写真や動画を多用することで、イメージをつかみやすくしました。 - ほしい情報へすぐ到達するよう配慮しました。
→メニューの1クリックでほしい情報がすべて表示され、すべての情報へ3クリック以内でアクセスできる構成です。
- 生徒の姿が伝わるよう工夫しました。
→生徒の活躍や生の声、卒業生の声を多く掲載します。
【新設した主なページ】
・TOPページの「TOPICS(生徒の活躍)」欄
・「課外活動」ページ
・「在校生インタビュー」ページ
- 統一感(色彩やフォント)と見やすさの向上をめざしました。
→ホームページ全体で使用する色を紫紺(本校のスクールカラー)を基調とし、フォントも同一にすることで、見る方への負荷の少ないホームページを実現しました。
- 現校舎建設の際のコンセプトである「In The Forest(森の学び舎)」をホームページでも表現しました。
→緑豊かな広々とした学びの環境を、前面(ファーストビュー動画)で見ていただきます。
さて、教育改革が叫ばれる中、令和の時代のこれからの教育において、本学の建学の精神の実践が益々重要となります。これからの第4次産業革命時代(Society5.0)の教育については、OECD2030、世界経済フォラム(WEF)、経産省の「未来の教室」、中央教育審議会の「令和の日本型学校教育」など種々の提言があります。
WEFの「未来の学校ビジョン」(2020年1月)では、「第4次産業革命に対応する学びの革新」として、①グローバル市民としてのスキル、②イノベーションと創造性、③テクノロジーのスキル、④対人関係のスキル、⑤自分のペースでの学び、⑥外部にアクセスできる学び、⑦課題解決の協働学習、⑧生涯にわたる主体的学習 の8つを示しています。教育もグローバルに考えるべき時代です。
また、中央教育審議会の答申「令和の日本型学校教育の構築をめざして」(21年1月)では、①全ての子供の可能性を引き出す(自分のよさ可能性の認識)、②個別最適な学び(個別指導、個性的学習、興味・関心・意欲重視)、③主体的・対話的で深い学び(アクテイブラーニング、協働的な学び、探求学習・体験活動を通じ多様な他者と協働) を述べています。これらは授業とともに課外での活動、ICTの活用、教員の研修・研究、環境(図書館、ICT設備など)により実現されます。
これからの教育についての方向は、本学園では建学の精神をもとに、第3次及び第4次中期計画(2014~21)を通じ、リベラルアーツ教育~5つの力(学力、教養力、国際力、科学力、人間力)として、具体的に推進してきました。更なる進化を目指します。
実は建学の精神の3本柱は、第4次産業革命時代などこれからの教育の基本を述べており、これからの教育にこそ生かされる羅針盤です。即ち
※ 独自無双の人間観(人間は一人一人かけがえがない唯一の存在)
これからは個人の特色・興味・関心など全ての生徒の可能性を引き出す、自分の本当にやりたいことを生かす、多様性・多様な交流、人権重視が重要です。
※ なずな教育(一人一人をよく見る教育)
これからは個別指導、個性的学習のために、ICT、データ駆動という有力なツールの活用が必須です。一方一人も取り残さないための、きめ細かい美点凝視の指導やカウンセリングが大切です。
※ 第三教育(自ら学び考え生涯学び続ける教育)
これからはアクティブ・ラーニング(自ら主体的能動的に学ぶ)が中心で、更に多様な人との協働学習、異質な人との交流での創造性を発揮し、社会での学び直し教育(リカレント教育)が重要です。人生100年時代の多様な生き方(いくつもの職業を経験する二毛作、三毛作)へのチャレンジ、やり直しのための学びには、自ら学ぶ第三教育の習得が不可欠です。第三教育の達人こそが、これからの教育の優等生でしょう。今後とも建学の精神の具体的実践により、学園の教育を更に大きく進化させて参ります。ご支援ください。