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2021.04.01理事長メッセージ

理事長からのなずなメッセージ#187 楽しい学園生活への成功の鍵

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市川学園理事長・学園長 古賀正一

20年度はコロナに明け暮れた1年でありましたが、その中でも感染防止対策をしっかり実施し、教育・学習の確保ができたことは有難いことでした。

3月は高校卒業式、中学卒業式(修了式)、アカデミックデイ(1年間の生徒の個別活動の発表会、SSHの課題発表会)等のイベントが、生徒・教職員のみとはいえ、リアルに行われたことは有意義でした。(高校卒業式のみ保護者1名ずつ参加しました)
特別なこととして、3月24日に高校第28回(1976年度)卒業生の駐ボリビア日本国特命全権大使伯耆田修(ほうきだおさむ)氏が来校し、生徒たちに講義と対話を行っていただきました。大使は、領事局、中南米の仕事が長く、昨年6月大使就任前は、メキシコ・レオンの総領事でした。講義では、外務省や在外大使館・領事館の仕事、自然災害や事件・事故など海外での日本人の緊急事態対応での現地・現場で仕事など、ご自分の40年以上の国際的な仕事について多くの写真を交え語られ、生徒に大いなる刺激と感動を与えていただきました。

生徒からの質問は講義終了後も続き、最後は理事長室で個別の質疑応答を行うほどでした。

つらかったことなどの質問に、「いつも全力投球し他の人のために仕事ができ、つらいと思ったことはなく、目の前の仕事を楽しんだ」。大切にしていることは、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」とのことでした。生徒に対し、国際的活動、人のため役立つ仕事に大いに関心を持ち、世界に羽ばたいてほしいと結ばれました。 21shuryosiki 21hokida

 

 

 

 

いよいよ21年度、始業式・入学式まで、生徒を迎える多くの準備と共に、新任教員研修、各学年、各教科、各部の新年度打合せ、教職員健康診断、新年度方針説明会など続きます。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、リバウンドの恐れもあり、引き続き感染防止の基本を守ることに十分注意したいと思います。

さて生徒にとり一番大切なことは、日々学園に通うのが楽しいことです。新入生を迎える4月、新しい友、新しい先生との出会いを大切に、楽しい学園生活をスタートすることを念願しています。『楽しい学園』の主役は生徒の皆さんです。楽しい学園のためには三つの活動、三つの宝物、三つの要素が重要であると思っています。

  1. 三つの活動
    学園では、生徒が多くの場面で活動しますが、第一は授業とホームルームです。関心を持てる教科を多く持ち、ホームルームでの友人との協働作業を楽しんでほしいと思います。
    第二は学校行事です。コロナ禍で制約はありますが、体育大会、球技大会、修学旅行、研修、なずな祭など多様です。また応募型の土曜講座やグローバル講座、市川アカデメイアなど特別講座、選択型のSSH課題研究、リベラルアーツゼミなどです。
    第三は生徒会・クラブ活動と校外のイベントです。校外のイベントやコンテストは年間数百あり、学年を通して通知されるので、興味あるものに是非積極的に参加し、自分の好きなことを探してください。新しいことの挑戦には、「やってみよう精神」が大切です。他校や全国レベルのコンテストでの好成績は、大きな自信にもなります。
  2. 三つの宝物
    学園生活でよき友達、信頼できる先生、多くの本と出会ってください。これらは皆さんの生涯の宝物です。インターネットの時代こそ、リアルでの対話と活字での読書は不可欠です。この三つの宝物は、無形の財産ですが、人生を生きるためにお金では買えないかけがえのないものです。
  3. 三つの要素
    第一はよい学ぶ環境です。施設、ICTの設備、学びやすい環境、広々としたグラウンドなどを、学園は常に整備し改善に努めています。
    第二はよい人間関係です。同学年生、先輩後輩、多様な先生方、地域の人など多くの人間関係を大切にしてください。人間関係を明るく気持ちの良いものにするには、自らの努力が必要で、明るい挨拶と思いやりが重要でしょう。挨拶は、かるく、つも、きに、づけてがコツです。また思いやりの原点は、自分がしてほしいように人にもする黄金律が大切です。
    第三は自分自身が勉強でもスポーツでも日々上達・進歩を実感することです。自分が思っている以上に進歩しているものです。

学園の創立者古賀米吉が病床にあるとき、生徒のことを想い書いた文章をまとめた冊子『仰臥漫筆』がありました。装丁や題名を改定し、現在は『楽しい学園生活・・日々新たなり』としていますが、学園のバイブルです。創立者の思い、建学の理念を具体例で分かりやすく書いた楽しい読み物です。この冊子は、新入生・新任教職員全員に配布し必ず読んでもらっています。

その本の最後の章のその一節に進歩について次のように書いています。「楽しい学園の心髄になるものは進歩である。生徒の進歩だけではない。教師の進歩を含めての進歩である。教師の進歩しないところに生徒の進歩があろうはずがない。(中略)進歩とは何か。人間の成長である。」

コロナ禍の中を生きながら、生徒の皆さんは、今日一日を丁寧に生きること、好奇心を持って学び続けること、そして青春の「今」、「今日」、「ここ」を大切に楽しんでください。