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2018.06.01理事長メッセージ

理事長からのなずなメッセージ#153 小惑星に学園卒業生の名が命名された!

YYY_8765(紫陽花と校舎)2018.6.1
市川学園理事長・学園長 古賀正一

昨年のISEF(国際学生科学技術フェア:2017 Intel  ISEF ,Los Angeles)において、エネルギー・化学的部門で見事優秀賞2等賞を取った呉慧怡さん(ゴ・ケイイ、2018年3月卒業、第70回卒業生)に、MITリンカーン研究所より、本人の名前を小惑星に命名したという吉報が入りました。
その名は MinorPlanet(34028)Wuhuiyi です。

MITリンカーン研究所の地球接近小惑星プロジェクト(LINEAR)で発見された小惑星には、科学技術の推進に大きな成果をおさめた人物の名を命名することが多く、わが国では探査機「はやぶさ」で一躍有名になった小惑星「イトカワ」が知られています。また、毎年のISEF優秀賞で2等賞以上の学生の名前が、小惑星に命名されているとのことです。

呉慧怡さんは、SSHの課題研究で、「人工光合成の研究-酸化タンタル/タンタル板を使った二酸化炭素からギ酸の生成と可視光応答」を研究し、ISEF日本代表に選ばれました。市川高校の生徒の業績として誇らしい課題研究でした。本人の努力と指導教諭の熱意による成果でした。大学院レベルの半導体理論をしっかり理解し、語学も得意で、プレゼンも優れており、更に自分の頭で考え、納得するまで質問し、完全に理解し、関係する事柄について幅広い知識を身につけていたことが、彼女が受賞に至った理由だと思うと、指導教諭は語っていました。

なお、2000年以降19年間で、ISEF2等賞以上の日本の高校生(小惑星命名の個人またはチーム)は、14件のみです。

天を見上げ、自分の名前のついた星があることは、なんとロマンティックで夢のある話でしょう。

さて学園では、新年度から第4次中期計画(2018年度から2021年度)をスタートしました。すでに初年度の各学年、教科、校務分掌ごとの基本方針と施策をまとめ、入学式前の年度方針発表会で説明され、推進されています。今般は4年間を俯瞰し、目標を明らかにし、年度進行での計画をまとめ、教職員会議で共有しました。

第3次中期計画は、最終年度の80周年記念事業を、改革の牽引力としましたが、第4次中期計画は、2020年度からの教育改革に関連し、大学入学共通テスト、個別学力検査(2次試験)、総合型選抜入試(現行AO入試)の改革、更に2021年度から始まる新学習指導要領などを念頭に改革を推進します。さらに生徒が活躍するこれからのグローバル・AI・人生百年の時代を視点においた教育を考えています。

基本コンセプトは第3次中期計画と変わりませんが、更にステップアップする4年間とします。中期計画を貫く基本方針は、下記の8項目です。

  1. 自ら学び続ける「第三教育力」を有し、世界で活躍できる品格あるリーダーを輩出する「リベラルアーツ教育」を更に推進する。
  2. 難関国公立大学等に安定した進学実績を有する進学校であるとともに、幅広い分野で活躍できる、全国トップレベルの卓越した学園をめざす。
  3. 授業・行事・課外活動などすべての活動で、生徒の主体的活動を活性化させ、強さと思いやりある真の紳士淑女を育成する。
  4. 教職員の研修・研究、切磋琢磨を通じ、個人及び教職員集団としての更なる教育力・人間力向上に努め、アカデミックな風土を構築する。
  5. 常に生徒・教職員ともに進歩・成長する「楽しい学園」、明るく活発で風通しのよい、開かれた学園をめざす。
  6. 教職員の時間管理、生産性と教育の質の向上のための仕組み改革により、「働き方改革」を行う。
  7. 教職員・生徒の安全、快適を第一に、建物・設備の改修を行い、更に次世代ICTシステムの整備計画を推進する。
  8. 安定した経営基盤の上に、学園統治、法令順守、危機管理を重視し、法人本部を強化する。

以上のコンセプトのもと、「リベラルアーツ教育」の5つの力即ち「学力」、「教養力」、「科学力」、「国際力」、「人間力」、さらにそれを推進する3つの基盤「教職員と教育力」、「教育システム」、「経営・環境・外部交流」の合計8つの項目ごとに4年間の基本マスタープランをたて、推進責任者とメンバーを決めています。

さらに各教科については、基本マスタープランに基づく教科マスタープランをたてました。

最後に中期計画の効果ある実行と目標達成のためのKFS(成功の鍵)は、

  1. 各施策を各部門・個人までブレークダウンし、具体化して推進すること。「誰が、何を、いつまでに、いかにして」の割りつけが大切である。
  2. 各施策は、4年間一本線でなく、1年ずつ施策のステップを分け、刻んで推進する。
  3. PDCA(計画・実行・評価・次の実行)サイクルのうち、DO(実行)に力を入れこと。計画を立てたらまずスタートしてみること。そこから道は開ける。やってみなければ分らないことも多い。