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2014.07.01理事長メッセージ

理事長からのなずなメッセージ#105 教師力こそ私学の価値

2014.7.1
市川学園理事長・学園長 古賀 正一

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 7月は陰暦文月(ふみづき)、日本気象協会の『季節のことば36選』では、「蝉しぐれ」「ひまわり」、「入道雲」、「夏休み」です。7月の声を聞くと、学期末試験、答案返却、終業式と駆け抜け、夏期講習、クラブ活動、課題研究、校外学習、国際研修など学期中には体験できぬ多くの夏休み行事が待っています。生徒が心身ともに大きく成長する期間です。一人一人が独自の計画を実行し、規則正しい生活習慣を大切に、有意義な40日を過ごすよう念願しています。

 

 A.今月の話題; 教師力こそ私学の価値・・・教師の研修・研究の充実こそがよい教育、卓越した学校を生む。

学校の評価のものさしは、多様であり、生徒の特色を如何に伸ばしたか、保護者・生徒の満足度、進学実績、社会への人材輩出、外部の評価・評判、建学の精神の具現化、伝統などがありますが、最終的には、私学は選ばれることが最終評価です。そのため、理事長、校長はじめ教職員は、「もっと良い教育」、「よりよい環境」をめざします。①環境の変革、②システム・制度の変革、③教育の中身の変革がありますが、最も大切なのは④教師の教育力・意識の変革です。教師のレベルアップは、日常の教育活動を通じての学び(オンザジョブ研修)と共に日常から離れての研修・研究(オフザジョブ研修)があり、いずれも重要です。また教師としてのプロフェショナルなスキルである専門力とヒューマンスキルである人間力を高め、最終的には、自ら常に学び生涯学び続ける当学園の建学の精神の第三教育の実践者こそが卓越した教師です。この自己啓発により、教師のプロフェショナルとしての価値が高まり、卓越した教師の集団こそが、卓越した教育を推進します。

1)市川学園の教員研修・研究
初任者研修、専任初任者研修、2・3年目研修、10年目研修、教科別研修、教科連携研修、全教職員研修(年3回外部の講師によるなずなセミナー)、公開授業、校外研修(大学、他校、塾、民間会社)、英語研修など多様です。また研究も盛んで毎年数名が特別テーマで研究をしたり、海外での研究・研修もあります。このため古賀研究基金が用意されています。又毎年6月には、授業の分かりやすさ、授業への興味、学力についての変化、先生(生徒)への思い、自学自習の習得、先生の良いところ、要望・改善について授業アンケート調査を生徒・教師共に行い、結果がフィードバックされ、授業の改善・充実に役立てています。

2)SSH授業研究会
SSHの2期目は、生徒の課題研究と教師の探究的授業研究(実験中心)が2本柱です。初年度の最初の大きな行事として、6月28日(土)に、学園内でSSH授業研究会を実施しました。北海道から沖縄まで全国の国公私立校の教員、運営指導委員やアドバイザーの大学教授、民間の有識者の方々など約60名の先生が来校され、熱心に意見交換、有意義な交流が行われました。午前は2時限から4時限まで当校教員による21の公開授業(物理、化学、生物、地学、数学、国語)、午後は、教科ごとの分科会に分かれて授業についての意見交換、最後に全体会として、課題研究を含む生徒の評価の有り方について、当校含め3校の事例発表があり、充実した土曜日でした。日本の教育を良くするには、教師が学び合う交流こそが重要です。

3)千葉県私学の新任教職員の研修会
6月17日から3日間、県内私立中学・高校より新任教諭88名、企画運営担当の副校長・教頭含め約100名が参加。基調講演で、小職より「グローバル時代の私学教育・・・教師力向上こそが成功の鍵」と題して、私学のめざすもの(社会が求める人材、教育選択時代、私学の逆風、学校統治、私学の進歩に終わりなし、学校は教師が自分を磨く道場、千葉県私学の現状)の話をし、更に私学教員のあり方の話をしました。新人として伸びる教師の姿勢として下記を強調しました。

① 十分な教材研究と情熱による魅力ある授業づくり・・・授業こそいのち
② 事上練磨即ち日々の仕事を通じての学びと改善・・・創意工夫
③ 高い目標や新しいことにチャレンジする勇気・・・前向き志向
④ 信頼される社会人としてのマナーと常識・・・挨拶など小事の大切さ
⑤ 率先垂範・・・責任感と誠実さ、生徒に後姿を示せ
⑥ 学校の仕組みやシステムを知り、時間を有効に使う・・・仕事の優先度
⑦ 生徒を一人の人間として扱え・・・厳しさと思いやり

B.6月の主な学園行事

1、6/2-6/4 中学3年集中英語研修
8クラスを2期に分け、国立オリンピック記念青少年総合センターで実施(1泊2日)。5-6名の少人数グループにネイティブ外部講師が1名ずつ付き、約9時間のレッスンと食事時間をふくめ英語づけとなる集中研修会。

2、6/12 中1大町公園自然観察園と市川歴史・考古博物館見学
中学の校外学習コンセプト「地元を知り、日本を知り、世界を知る」の一環。また理科と社会の教科連携のプログラムでもある。

3、6/21 中1、中2、中3、高1、高2各学年保護者との懇談会
全体会(学年方針、共通事項)とクラスごとの懇談会実施。

4、6/21 NPO法人「留学フェローシップ」主催 海外大学進学説明会(海外進学支援目的で設立、学生が理事長、後援は私学関係者、企業など)
全米有名大学の現役日本人留学生6名(ハーバード、MIT、スタンフォード、スミス、ウェズリアン、オバーリン各大学在籍)が、夏休みを利用して全国各地域で行うキャラバンの9ヶ所目として本校で実施。学園の中3、高1、高2約40名、他校生徒、保護者、関係者含め約60名参加。米国大学生活の紹介と魅力、海外大学を選んだ理由、出願から入学までの準備、卒業後の進路など、直接の体験からの個性的情熱的プレゼンテーションと対話、個別相談などあり、海外留学を考える生徒にとり極めて有意義であった。この活動が毎年継続されることを期待。

5、6/7、6/14土曜講座
真に国際社会で活躍された民と官の2人の方の魅力的講演があり、生徒との質疑応答も十分していただいた。
6/7:北城恪太郎先生(ICU理事長、元同友会代表幹事、元日本IBM会長)「これからの国際社会で求められる人材」約500名聴講。
6/14:藤﨑一郎先生(前駐米大使、上智大学教授、日米協会会長)「これからの日本と君たち」 約400名聴講。講演後生徒の個別質問にも親切に答えていただいた。

6、イギリス史ゼミ
宮崎校長によるイギリス史(英文テキスト)のゼミで、中3、高1の複数学年の希望者を対象とし、生徒が担当の章をあらかじめ読み、発表、質疑応答を行うもの。全7回が終了した。ケンブリッジ・オックスフォードなど英語研修予定者、昨年の研修者、その他イギリス史に関心ある生徒など約40名が参加。参加者アンケートによれば、このようなグループごとの発表形態のゼミへの関心度は9割以上と高い。

7、生徒会立会演説会と投票により、今年度生徒会会長他役員を決定した。