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2023.07.20校長日記

Gakuen Campus Tours!  #4(23.07.20)

Stuffed Birds Exhibition Room:山階鳥類標本展示室

今回は校内施設をご紹介します。
本館2階に「山階鳥類標本展示室」があります。本校 創立者 古賀米吉先生と世界的な鳥類学者 山階芳麿博士とのご縁により、1939年 創立間もない本校に数多くの鳥類標本が寄贈されました。以後、校内に専用展示室を設け大切に保管・公開しています。
山階博士は戦前・戦後にわたり鳥類研究の第一人者として多大なご功績を残されるとともに、山階鳥類研究所を設立し数多くの後進を育てられました。現在 千葉県我孫子市にある山階鳥類研究所は 蔵書18,000点、鳥類標本59,000点等を所蔵し、鳥類研究の拠点として様々な活動を行っています。

古賀先生は1931から1933まで、理想の学校像を求めて欧米やアジア諸国を歴訪し、各国の特色のある教育を視察しました。帰国後、本校創立までの4年間は、創立準備に奔走する傍ら予備校の英語教師や参考書編纂などの著述業に従事しました。そんな中、山階博士の論文執筆のサポート役をつとめた古賀先生は後年、次のように語られています。
「私はかつて鳥の学者に英語で書かれた鳥の本を教えたことがある。この場合教えたというのはうそになる。鳥のことを全然知らない英語教師と英語のあまりできない鳥の研究者とが、しばらく対話していると、解決をしてくれるのは、いつも鳥の研究家の方であった。読文力とか読書力とかいわれるものは用いられている語や句や文法に関する知識のほかに、文章の内容に関する知識が伴わなければならない。(中略)文は人なりというが、読む力も人だといいたい。人が進まないと、読書の力は進むまい。」
古賀先生の教育観、そしてお二人の信頼関係を垣間見る事が出来ます。

前述の通り山階博士から百数十種の標本を寄贈していただきました。古賀先生は、その際の博士のご様子を「一々の標本について、その由来、想い出を語られ、標本との別れを惜しむごとくであった。」と記されています。